図書館豆知識 47

質問

日本三大美人の湯である「湯の川温泉」の歴史について知りたい。

回答

斐川町学頭にある「湯の川温泉」は美人泉と呼ばれており、そのいわれには次のような神話があります。

神代の昔、稲羽(いなば)の国に八上(やかみ)姫(ひめ)という美しい姫神がおり、出雲から来たオオクニヌシの命(みこと)と結ばれました。
しかし、しばらくして出雲へお帰りになったオオクニヌシの命からは、何のお便りもありません。命に、スセリヒメという正妻がいることを知らない八上姫は、出雲の国に向かいます。
宍道の里を過ぎたところで、温泉が湧き出ていたので、その湯に入りました。すると、お悩みの心も清くよみがえり、玉のようなお顔になり、いっそう美人神となられました。
スセリヒメの神に追われて稲羽の国へお帰りになるとき、ふたたび温泉に入り、「火の山の麓の湯こそ恋しけれ 身をこがしても妻とならめや」と歌われました。

この他にも、言い伝えられている話があります。
戦国時代、尼子は毛利との合戦で、たくさんの負傷者が出て困っていました。すると、高瀬山の城主米原綱寛が大将尼子経久に、「学頭の湯谷に出る温泉は、傷を癒す薬湯である。」と申しました。尼子経久は大そう喜んで、湯谷に浴場を造らせました。その湯に負傷者を入れたところ、傷は治り、尼子方の勢力はますます強くなりました。

参考文献

『斐川の地名散歩』(斐川町役場 発行)
『郷土斐川物語』(斐川町有線放送電話協会 発行)

 

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