図書館豆知識 49

質問

大社町ではぶどう栽培が盛んだが、特にデラウエアの栽培はいつ頃からするようになったのか知りたい。。

回答

大社町で「デラウェア」種の栽培は昭和9年(1934)からするようになりました。

大正10年頃に機関手であった鎌田市造氏が、下府(浜田市)から「甲州種」の苗を数本手に入れ、観賞用として庭に植え付けたのがぶどう栽培の始まりと云われています。
当時の大社町は畑地のほとんどを養蚕地帯として桑園が占めていましたが、第一次大戦後の不況などで養蚕が衰退し、それにかわる作物としてぶどう栽培が着目されるようになりました。
そして、大正15年(1926)、中島岩市氏ら数名の有志が大社町湊原の砂地50aに甲州種を植栽し、本格的にぶどう栽培が始まりました。

当初はぶどう特有の黒痘病や雨による裂果で充分な成果を上げることができませんでしたが、試作品種として混植されていたデラウエア種が病気にも強く、気象条件等もある程度克服できる品種であることを発見しました。大社町の土地に適していることから、昭和9年に思い切って甲州種を廃し、デラウエア種に改植することになりました。

その後はデラウェアがぶどう栽培の主流になり、生産者のいろいろな試行錯誤によって、ハウス栽培の導入やジベレリン処理による「種なしぶどう」が生まれるなどして、年々生産量および出荷量も上がり、全国的に有名なぶどう生産地となりました。

参考文献

『大社ぶどう』(大社町農業協同組合 発行)
『ふるさと百話』(NHK松江放送局 発行)
『大社ぶどうに関する資料』(大社町農業協同組合 発行)
『出雲市農業協同組合史』(出雲市農業協同組合 発行)
『ふるさと荒木ー地区の開拓者たちー』(大社町荒木公民館 発行)

 

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