図書館豆知識 65

質問

柴犬の「石号」について知りたい。

回答

「石号」(いしごう)とは、昭和5年に生まれ、島根県の石見(現在の益田市)で猟犬として活躍した柴犬「石」(いし)のことです。「石」は、猟師の下山信市氏と一緒に大きなクマを仕留めたこともある、とても賢く勇敢な、地元で評判の猟犬でした。

昭和11年、「石」は、当時絶滅の危機にあった日本犬を守るために尽力した同じ石見出身の中村鶴吉氏に譲られ、東京都へやってきました。「石」は純粋な小型日本犬として、「日本犬保存会」へ登録されました。日本犬の本質である「気迫と威厳があり、忠実で従順」「飾り気のない地味な気品と風格を持つ」という面が評価され、日本犬の展覧会で数々の賞を受賞しました。

戦争や伝染病で多くの日本犬が犠牲になりましたが、「石」の子孫は奇跡的に生き延びました。その後、昭和23年に生まれた「石」のひ孫「中」(なか)は、日本犬の本部展覧会(全国展覧会)で最高の賞「日本犬保存会本部賞」(総理大臣賞)を受賞しました。人気が高まった「中」の血統が日本中に広まり、柴犬の基礎犬となった結果、「石」は世界中に60万頭いると言われている柴犬の祖となりました。

このことを知った地元の人々によって、令和元年、「石」の故郷である益田市美都町に石像が建てられ、記念館と合わせて「柴犬の聖地・石号の里」と呼ばれています。

参考文献

『石号ものがたり』(ニコモ 発行)
『往古日本犬写真集』(誠文堂新光社 発行)
『日本犬写真集』(社団法人日本犬保存会 発行)

 

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