図書館豆知識 24

質問(1)

昔、マニラ湾に流したヤシの実が、何十年も経って大社の海に漂着したという話を聞いたことがあるが、事実なのか。事実ならば、詳しく知りたい。

回答

事実です。
昭和19年、出雲市出身の山之内辰四郎さんが望郷の思いを託して、同郷の戦友の名前を書いたヤシの実をマニラ湾に流しました。そのヤシの実は、約3千キロの海を31年もかかって、昭和50年7月、奇跡的にも、この戦友の住む出雲の稲佐の浜に漂着し、家族のもとへ手渡されました。

現在このヤシの実は、昭和51年靖国神社に「奇跡のやしの実」として遺品館に奉納されています。また、この実話をもとに、令和3年7月には絵本『きせきのやしのみ』が出版されました。

参考文献

『きせきのやしのみ』(亀山永子 発行)
『ふるさと物語』(出雲市乙立公民館 発行)
『大社の史話 104号』(大社史話会 発行)
『幽顕 1005号』(幽顕 発行)
『島根日日新聞 平成20年8月15日号』(島根日日新聞社 発行)

 

質問(2)

国指定史跡の上島(あげしま)古墳について教えてほしい。

回答

上島古墳は、昭和32年7月27日に国史跡に指定され、出雲市国富町の旅伏山山麓にあり、標高約35メートルの山腹の急斜面につくられています。墳丘は直径約15メートル、高さ2メートルの円墳です。墳丘周辺かからは、須恵器、土師器(はじき)が発見されています。

昭和24年5月、果樹園造成による開墾中に直葬された家形石棺と、それに隣接して小堅穴式石室が発見されました。出雲平野における後期古墳としては早い時期のものとして注目されています。

参考文献

『島根県大百科事典』(山陰中央新報社 発行)
『平田市大事典』(平田市役所 発行)
『国富郷土誌』(国富公民館 発行)
『出雲市埋蔵文化財発掘調査報告書 第17集』(出雲市教育委員会 発行)
『古代文化研究 第29号』(島根県教育委員会 発行)

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