図書館豆知識 20

質問(1) 神社で拝むとき手をたたくことを「柏手(かしわで)」と言うが、なぜ「柏」なのか。
回答

元は「拍手(はくしゅ)」だったのが、「拍」の字が「柏」と間違って書かれるようになり、「柏手(かしわで)」と言われ始めたようです。

また、古代には柏の葉を食器として用いたことから、宮中で食膳の調理をつかさどる人のことを「膳夫(かしわで)」と呼んでいました。彼らが神前に食膳を供える時、手を打ったことが「柏手」の語源という説もあります。

参考文献

『日本語源大辞典』(小学館 発行)
『暮らしのことば語源辞典』(講談社 発行)
『身近なことばの語源辞典』(小学館 発行)

 

質問(2)

ツチノコはどこの地方の妖怪なのか知りたい。

回答

事典で「ツチノコ」について引くと共通して記載されているのは、「全体的に蛇のようだが、大きな頭とふくれた胴を持ち、ビール瓶のような形をしている」ということ、「1970年代に広くブームとなり、知名度が全国区となった未確認生物である」ということの2点。『広辞苑』では、「想像上の生物」と書かれています。

ただし、古くは、『古事記』にも同一視される妖怪「ノズチ」の記載があることが紹介されており、地方にあった様々な同様の怪異がブームによって統合されていった背景があるようです。目撃情報や体験談も多く、文献に記載されているものだけでも北海道と沖縄を除く東北から九州までの全国各地で目撃されたと残されています。

特に70年代のブームの際は、妖怪としてよりも、未確認生物として紹介され、年齢問わず多くの人の関心を集めました。

参考文献

『日本現代怪異事典』(笠間書院 発行)
『日本の妖怪』(ナツメ社 発行)
『日本全国妖怪スポット1』(汐文社 発行)
『完本・逃げろツチノコ』(筑摩書房 発行)

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