図書館豆知識 21

質問(1) 6月のことを「水無月(みなづき)」とも言いますが、雨の多い季節なのにどうして「水が無い月」と書いて「水無月」と言うのですか。
回答

「水無月」は旧暦の6月の異称で、現在の7月に当たります。名称の由来については諸説ありますが、代表的なものを次の紹介します。

①田ごとに水を張る「水の月」であるという説(ここでの『な(無)』は『の』の意味)
②梅雨も終わり水が涸(か)れ尽きて「水がない月」という説
③おもな農作業をすべてしつくしたという意味の「皆仕尽(みなしつき)」または「皆尽月(みなつき)」から転じたという説
④雷が多いことから、「カミナリツキ」の「カ」と「リ」を省き、「ミナツキ」と呼ぶ説
『広辞苑』『大言海』『国語大辞典』では、①の説で書かれています。

参考文献

『現代こよみ読み解き事典』(柏書房 発行)
『暮らしのこよみ歳時記』(講談社 発行)
『広辞苑』(岩波書店 発行)
『大言海』(富山房 発行)
『国語大辞典』(小学館 発行)

 

質問(2)

パイナップルによく似た花があると聞いた。それはなんという名前の花か。どんな花なのか、育て方など詳しく知りたい。

回答

ヒアシンス科(ユリ科)の「ユーコミス」という花です。
まっすぐに立ち上がった花茎にたくさんの花が咲き、穂状に咲き上がる多数の花の頂上に、緑の葉が冠のようにつくユニークな形の花で、その姿がパイナップルに似ていることから、別名「パイナップル・リリー」とも呼ばれています。

原産地は中央・南アフリカで、夏から秋に白色~淡い黄色の花が咲きますが、花色がピンクの、アウタムナリス種も少数栽培されています。夏に庭やコンテナで育てると、トロピカルな気分が味わえます。
日当たりと風通しのよい肥沃な場所を好むので、水はけのよい場所をよく耕し、腐葉土をたっぷりすき込んで、少量の緩効性肥料をまぜた土で育てます。
半耐寒性の春植え球根で、春に15~20cmの深さに植え付けます。関東以西の暖かい土地では、路地に植えたままも越冬できますが、寒さにはやや弱いため、寒冷地では、10月下旬頃、葉が黄変したら、球根を掘り上げて乾燥・貯蔵します。

参考文献

『決定版 失敗しない球根花』(講談社 発行)
『ヤマケイポケットガイド11 庭の花』(山と渓谷社 発行)
『ガーデン植物大図鑑』(講談社 発行)

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