図書館豆知識 37

 

質問(1)

昔はお米をのりにしてたと聞いた。くっつけたお米が腐ってしまわないのですか。

回答

お米から作るのりは、デンプンのりと呼ばれる接着剤のうちの一つで、米粉を炊いて作るものやご飯をつぶして作るものがあります。

ご飯をつぶして作るのりは、「続飯(そくい)」といい、ご飯粒を丁寧につぶしていき、霧吹きで乾燥しないように硬さを調整してなめらかにしたもので、古くは奈良時代から使われていました。
こののりで紙や木を貼り合わせ、しっかり乾燥させ、水に触れない場所で使えば、現在使われている木工ボンドと同じくらいの強度があります。
そして、乾燥させて水分を飛ばしているため、接着した部分が腐ったり、カビが生えたりすることはありません。ただし、作ったのりそのものは腐りやすく、保存しておくことはできないので使いきれる量で作るとよいです。

参考文献

『イチからつくるのり<接着剤>』(農山漁村文化協会 発行)
『接着剤のはなし』(日本実業出版社 発行)

 

質問(2)

「こまったこうやく はりばがねえ」の意味が知りたい。

回答

漢字では「困った膏薬 貼り場がねえ」と書き、困った時や失敗した時に使う言葉です。テンポよく言うことで会話に勢いがつく「付けたし言葉」として使われており、特に意味を持つ言葉ではありません。石見地方や、出雲地方では、簸川郡(現 出雲市)と大原郡(現 雲南市)で使われているようです。

「付けたし言葉」は、他人が何かを言った時に、洒落などを付け足して、言葉のリズムや五感を楽しむ「ことば遊び」として使われています。むだ口、地口(じぐち)とも言います。
よく知られている「付けたし言葉」として、「驚き 桃ノ木 山椒の木」や「結構毛だらけ猫灰だらけ」などがあります。

参考文献

『声に出して読みたい日本語 1』(草思社 発行)
『ことば遊び辞典 新版』(東京堂出版 発行)
『島根県方言辞典』(島根県方言学会 発行)

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