図書館豆知識 41

質問

今年の干支「辰」にちなみ、「竜」が登場する物語を紹介したい。子どもにおすすめの本はあるか。

回答

子どもの年齢に応じた、読んでほしい本を紹介します。

●幼児向け
『とびらのむこうにドラゴンなんびき?』
  ヴァージニア・カール/作絵 松井るり子/訳 徳間書店/刊
 ある国のお城に13人のお姫様が住んでいました。
 二人ずつ手をつないで野原まで遊びに行きましたが、13人目のガンヒルダだけがひとりぼっちでした。12人のお姫様たちは森の手前で遊びましたが、ガンヒルダは小道を一人で入っていきました。すると、ガァー ゴォーという音はします。ガンヒルダが見まわすと、木の向こうからドラゴンがあらわれました。13人のお姫様たちは、こっそりドラゴンをお城に連れて帰ることにしました。
『おばけりんご』
  ヤーノシュ/作 やがわすみこ/訳 福音館書店/刊
 貧乏な男ワルターは、リンゴの木を一本持っていました。でも、この木にはまだ一つも実がなりません。隣の庭のリンゴはたわわに実るのに。
 ワルターは懸命に祈りました。すると、一つの花が咲き、実も一つになりました。ワルターがあと少し、あと少し、と思っている間にリンゴはどんどん大きくなり続け、おばけのようになってしまいました。市場に行っても、誰にも買ってもらえませんでした。
 その頃、恐ろしい竜がやってきて、田や畑を荒らしまわり、何でもかたっぱしから食べていました。
 王さまは、大きなりんごを食べさせることを思いつき、秘密警察にワルターのおばけリンゴを差し出すように命令しました。

●小学1、2年生向け
『白いりゅう 黒いりゅう~中国のたのしいお話』
  賈芝(ユ,シ)・孫剣冰(ソン,ケンヒョウ)/編 君島久子/訳
  赤羽末吉/絵 岩波書店/刊
 中国パイ族の昔話。
 「竜が淵」に一ぴきの黒い竜が住んでいました。この黒い竜はたいそう乱暴で、3年ごとに突然淵の中から飛び出すと、たちまち激しい風や雨が荒れ狂います。竜が一昼夜あばれると、パイ族の人たちは、たいへんな被害を受けました。
 大工のヤン名人が、息子のチーチンと故郷に帰る途中のことでした。チーチンは、のどが渇いたので水ぎわにひざまずき、銅の小なべを水の中に入れました。すると、黒い雲がふきあがり、一本の竜の手があらわれて、なべと子どもを淵の中に引きずり込んでしまいました。一人息子を失ったヤン名人は、黒い竜と戦う決心をしました。

●小学3、4年生向け
『赤い目のドラゴン』
  リンドグレーン/文 ヴィークランド/絵 ヤンソン由美子/訳
  岩波書店/刊
 ぶたが赤ちゃんを産んだ次の日、私が弟とぶた小屋に行ってみると、すみの方にポツンと一人立っているドラゴンの赤ちゃんがいました。
 お母さんぶたが、ドラゴンにおっぱいをあげなくなったため、私と弟は、毎日使い残しのろうそくや、ひも、コルクなど、ドラゴンが好きな物を持って行きました。
 背中をくすぐると気持ちよさそうにしているドラゴンが、私たちは大好きでした。
 十月二日の夕方、小さなドラゴンがやってきて、目にいっぱい涙をためていることに気づきました。

●小学5、6年生向け
『ホビットの冒険』
  J・R・R・トルキン/作 瀬田貞二/訳 岩波書店/刊
 ホビット族の小人ビルボ・バギンズが穴の中の家で穏やかな時間を過ごしていると、突然魔法使いガンダルフがやってきました。翌日には13人のドワーフ小人がやってきて、ビルボを冒険に誘うのです。ビルボは、全く冒険などに興味はありませんでしたが、ガンダルフのすすめと、冒険をする血筋を持つビルボは、心ならずも、ドワーフ族の小人たちと旅立ちます。
 それは、ドワーフたちが築き上げた黄金の宝物や宝石を奪った竜、スマウグから宝を取り戻す旅でした。のんびり暮らしていたビルボに、「生きてはかえれないかもしれぬ」といわれるほどの、危険にみちた冒険が待ち受けます。

●中学生向け
『はてしない物語』
  ミヒャエル・エンデ/作 上田真而子・佐藤万里子/訳 岩波書店/刊
 いじめられっ子のセバスチアンは、本屋で見つけた本を手にした瞬間、店主にも告げず本を持ち出し、学校の物置で読みふけります。
 その物語は、女王「幼ごころの君」が病に伏し、<虚無>に支配され滅亡寸前のファンタージエン国の物語でした。
 「幼ごころの君」は、この危機を少年アトレーユに託します。アトレーユは旅の途中で、幸せの竜フッフールに出会いますが、フッフールは途方もなく大きなくもの巣にかかり、身動きが取れずにもがいていました。フッフールは並外れた大きな体にもかかわらず、水の中の魚のように、大空を泳ぐ稀有な竜でした。
 大ぐもの巣から逃げたフッフールは、アトレーユとともに、ファンタージエンの国境を目指します。

 

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