図書館豆知識 3

 

質問(1) 「出雲旅行唱歌」について知りたい。
回答

「出雲旅行唱歌」は、河井英三(河井ソ華/「ソ」の漢字は口偏に且(ソ)、現出雲市西園町出身)が作詞、田村虎蔵が作曲した唱歌。
歌詞は100番まであり、松江から出雲大社までの近郊の名所、旧跡、風物が描かれています。
明治34年山陰新聞に3回掲載、明治35年に『出雲旅行唱歌 地理歴史教育』(川岡書店 発行)を出版。大町桂月が序文を寄せています。
故郷出雲の唱歌を青少年に歌わせて、地理歴史教育への理解を深めさせたいという強い思いから作詞されています。

参考文献 『出雲旅行唱歌 地理歴史教育』(川岡書店 発行)
「山陰新聞」明治34年6月~8月

 

質問(2) 出雲市の疫病の歴史が知りたい。
回答

明治39年から43年の間に、ジフテリアが流行した記録があります。当時、簸川郡(現出雲市)での死亡率は、全国に比べ高かったようです。

大正4年、5年には赤痢が流行し、死亡者は49人にのぼりました。大正5年はコレラの全国的な大流行があり、出雲市でも患者数は12人、うち10人の方が亡くなりました。

大正7年5月、インフルエンザ(スペイン風邪)がスペインの首都マドリッドで発生し、瞬く間に全世界に感染拡大しました。日本でも大流行し、島根県では同年10月に感染者が発生しています。大正8、9年には、簸川郡(出雲市)の死者は201人、死亡率は島根県全体の死亡率の2倍であったという記述がありました。

参考文献 『出雲医師会史』(出雲医師会 発行)
『島根県大百科事典 上巻』(山陰中央新報社 発行)
『出雲市三十年誌』(出雲市役所 発行)

 

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