図書館豆知識 9

 

質問(1) 街道に興味があり、各地を旅しているが、出雲に「天平古道(てんぴょうこどう)」があると聞いた。どこにあるのか、詳しく知りたい。
回答

出雲国風土記が書かれたのが733年と伝えられていますが、その天平時代(729~749年)に、北山山系のふもとから約100メートルくらい高いところの山肌を東西に走っていた古道を天平古道(てんぴょうこどう)といいます。
西は本郷から菱根、遙堪を経て出雲市に至る美保関と杵築大社を結ぶかつての主要街道であったといわれている山道です。
「天平」という名称に意味はなく、古い昔の道ということから土地の古老が口にしたのがきっかけといわれています。

参考文献

『大社まちかど百花』(大社町 発行)
『島根半島散歩~大社編』(大社史話会 発行)
『ふるさと鳶巣物語』林木の昔話マップ(鳶巣自治協会 発行)
『国富郷土誌』(国富公民館 発行)

 

質問(2) 佐田町の地図に「雨倉(あまくら)農道」とあったが、周辺の土地の名前なのか、由来があれば知りたい。
回答

地名の由来と考え、町史や地名事典を調べましたが、記述はありませんでした。
佐田町の方から「かつては雨倉と寺尾という地区があったが、現在は合わさって寺尾になっている」という情報を得、雨倉周辺の地名だと判明しました。
地域に残る地名が書かれている『佐田町の民話と民謡』の中に、次の記述がありました。
  雨堤(あまつづみ)
源流が「大日山」に発してたくさんの水系(谷)が一ヶ所に集中した扇状の地形を作って、豊富な水を擁していることから地名で、「雨倉(あまくら)」についても同じ意味を持っていると思われる。

参考文献 『角川日本地名大事典32 島根県』(角川書店 発行)
『日本歴史地名大系33 島根県の地名』(平凡社 発行)
『島根県大百科事典』(山陰中央新報社 発行)
『佐田町史』(佐田町教育委員会 発行)
『私たちの郷土 佐田町』(佐田町教育委員会 佐田町学校教育研究会 発行)
『佐田町の民話と民謡』(佐田町・佐田町教育委員会 発行)

 

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